炭による調湿施工は、多湿に弱くなりがちな現代の住宅に、日本の風土を考えた、昔の人の建物保全の知恵を復活させる構法といえます。 近年、炭は、空気や水の浄化性能や、「マイナスイオン」の増加作用、遠赤外線の発生等の健康増進効果が注目されており、消臭剤、寝具、入浴用等の様々な身の回り品に利用されておりますが、調湿能力につきましても、私の研究の他にも、多くの研究者が各種試験を行なっており、その高い性能が明らかになってきています。
「家の造りやうは、夏を旨とすべし」という言葉があるように、日本の多くの土地では、特に梅雨期から夏にかけ、多湿に苦しめられます。木材にとって湿気は大敵です。カビや腐朽の主要因である上、住まいの大害虫である、「シロアリ」が繁殖しやすい状況を作ってしまいます。
現在の木造住宅は、耐震・耐風力強化の立場から、「布基礎」という、家の基礎部分をコンクリートで囲ってしまう構法が主流となっておりますが、今では寺社や古い民家などにしか見られなくなった、いわゆる伝統構法の建物は、床下の通風に大変優れた性能を持っていました。先人は、そういった日本の風土にあった 構法を、長い時間をかけて作り上げ、採用していたと言えます。
一方、古くからの建物でも、土蔵のように、密閉型の構造を持つ建物も存在しており、そういった建物は現在のものと同様、湿気対策が必要とされていたわけですが、実は、閉塞空間の湿気取りとして広く活用されていたのが炭なのです。

備長竹炭には表面に無数の孔があり、その表面積は炭1g当たり700平方メートル(200坪以上)に達するといわれています。
この無数の孔が余分な水分を吸着し、乾燥時には穏やかに放出し、床下の湿度を一年中快適に保ちます。湿度を低くコントロールすることにより、カビやダニなどの発生を抑え、ハウスダストによるアレルギーなどの健康被害の軽減が期待できます。
シックハウス症候群の原因といわれているホルムアルデヒドなどのVOC(揮発性有機化合物)や、 アンモニアなどの嫌な臭いの原因物質を吸着し、快適な健康住宅造りのお手伝いをします。
高温で焼き上げた備長竹炭は、炭素率が高く、劣化しにくいため、長期的に効果が持続します。
アルミ遮熱性透湿シート袋の備長竹炭は、室内からの熱を反射させ床下の温度を高める事で、住宅の省エネをサポートする効果が期待できます。
梅雨や夏場、雨の日などは、備長竹炭が余分な湿気を吸い取り、床下を乾燥した状態にキープします。逆に晴天の日には、温度が高い時に吸い込んだ水分を徐々に吐き出し、元の乾燥した状態に回復する機能的なメカニズムです。
備長竹炭とは、"備長窯焼"という特別な製法で焼き上げた竹炭です。
三井化学クロップ&ライフソリューションの「ニューパワー備長竹炭」は、炭発祥の地であり伝統的な製炭技術を有する中国にて、備長窯焼で焼き上げた高品質竹炭です。
ニューパワー備長竹炭 | 一般的な竹炭 | |
---|---|---|
燃焼窯 | 備長窯 | 土窯 |
燃焼温度 | 800~1200℃ | 400~800℃ |
特徴 | 炭素率が高く、硬質で、 たたくと乾いた金属音がする |
軟らかくばさついていて、 たたくと鈍い音がする |