ゴキブリといえば、その姿から屋内で最も嫌われる害虫です。ゴキブリの名前は、「御器かぶり」の食器をかじるという意味からきており、昔から家の中で食品を食べて嫌われていたようです。
ゴキブリの起源は約3億年前といわれ、その姿はほとんど昔のままの原始的な昆虫です。 そんなゴキブリが、現代でも人間の身近な環境に適応し、私たちにいろいろと害を与えています。
それでは、なぜ、ゴキブリは人間の生活に入り込むことができ、更に、今でも屋内に生活し続けているのでしょうか? それは、ゴキブリの生態、習性が人間の生活している環境に合っていたからです。 ゴキブリは、雑食性で何でも食べます。人間の食べるものほとんどすべて食べますし、それ以外に、紙、化粧品、私たちの排泄物、カビ、腐敗物なども食べ、非常に食性が広いのです。当然、私たちの身の回りにはゴキブリの餌が豊富にあることになります。
また、私たちの寝静まった夜にゴキブリは活動します。ゴキブリの体は扁平で隙間に潜り込みやすいようになっており、昼間は、人目のつかないものの隙間などに隠れています。従って、人に発見されず殺されにくくなります。
ゴキブリは繁殖力が非常に高く、特にチャバネゴキブリでは、室内で約1年間で1対の雌雄から、その子孫が約12万倍に増殖したとの報告があります。
「厚生省生活衛生局水道環境部監修 原色ペストコントロール図説」より
産卵間隔 | 4〜10日 | 25〜50日 | 5〜6日 | 4〜6日 |
---|---|---|---|---|
孵化数 (1卵鞘当り) |
平均14 | 平均35 | 平均19 | 平均16 |
卵期間 | 35〜38日
(30℃) 40〜45日 (29℃) |
21〜28日 (29℃) | 52日
(29℃) 30〜32日 (32℃) |
34日 (29℃) |
幼虫期間 | ♂8.5 ♀9ヵ月(29℃) | ♂59日 ♀59日 (25℃) | 243〜360日 (25℃) |
200〜320日 |
成虫の寿命 | 200〜700日 | ♂90日 ♀165日 |
♂207日 ♀197日 |
♂124日 ♀179日 |
分 布 | 東京以西の太平洋岸大都市、奄美群島以南 | 全国 | 鹿児島から関東まで分布。 | 日本在来種で東北から近畿まで分布。 |
越 冬 | 不可能(無加温環境下の場合) | 可能 | ||
生息場所 | 一般家庭、集合住宅、商店、浄化槽、マンホール、トイレなどに群生 | ビル、飲食街、地下街、交通機関(暖房・熱源のある場所) | 一般家庭、集合住宅、食品工場、事務室などで優先的に生息 | 農村地帯の一般家庭、特に農家。屋外にも生息 |
成虫体色 特徴 |
体全体に褐色、前胸背板に淡黄色の輪状斑紋をもつ。 | 体は黄褐色から褐色、前胸板に明瞭な2本の黒い縦縞がある。 | 黒褐色。光沢があり、縞や斑紋はない。 | 黒褐色。クロゴキブリ似るが、体全体に光沢がない。 |
成虫体長 | 28〜44mm | 10〜15mm | 30〜40mm | 20〜30mm |