日本には22種類のシロアリが生息していますが、主に建物に被害を及ぼすのは、日本全国に広く生息するヤマトシロアリと、加害が非常に激しいイエシロアリの2種類です。また、最近では外来種であるアメリカカンザイシロアリの被害も少しずつ広がっています。
ヤマトシロアリとイエシロアリの違いについて
シロアリの社会は整然とした分業が行われ、数万〜数十万のシロアリが秩序ある社会生活を営んでいます。ここでは、シロアリ社会の各階級の役割を説明します。
- コロニー(シロアリ集団)が十分に大きくなると新しい巣を作るため、羽アリが飛びたちます。羽アリが飛びたつ時には被害が被害がかなり進行している可能性が大きいです。羽アリになる前の早めの予防施工が重要です。
- 一巣に各一匹づついて生殖を行います。交尾、産卵によって子孫を増やし、その集団の繁栄を図るのが任務です。イエシロアリの女王は体長40mmにも達し、一生の間に100万個以上の卵を産みます。
- シロアリの社会構成の大部分をしめ、巣の構築、食物の採集、女王や王の保育、卵の貯蔵管理などを行います。現実に木材などを食害するのはこの階級です。
- 巣を外敵から防衛する任務に当たります。
- 羽アリの一段階前の生態で、群飛の時期が近づくと羽化して羽アリになります。
- 通常は、生殖は行いませんが王や女王が死亡したり生殖を行えなくなったとき、これに代わって生殖を行います。
シロアリはアリとは全く違った種類の昆虫でアリの仲間ではありません。シロアリとアリは次の3つの点で見分けることができます。

アメリカカンザイシロアリは、一般的なシロアリのように床下から侵入するのではなく、輸入家具に含まれて建物に侵入したり、空中を飛来して屋根裏等から侵入したりします。そのため、床下に実施する通常のシロアリ防除施工では侵入を防ぐことはできず、現在のところ予防方法は確立されていません。縦に溝が入った粒状の特徴的な糞が発見されたら被害が疑われますのでご相談ください。